適当日記

日常の瑣事を書いています。

本の扱い方について思うこと

またまた久々の更新になってしまいました。特に忙しいわけではないのですが、書くことがなくてさぼり気味です。さて、自分には行きつけの図書館があるのですが(近所の大学図書館がお気に入りです。大学の図書館は、そこの学生でなくとも使えるのをご存じですか?)、そこでおやという本の扱い方がされていたので、それを書きたいと思います。 

 本棚に本を戻すのは司書さんの大事な仕事の一つなのですが、そこの司書さんが本を本棚に戻す際に、地べたに本を積んでそこから一つ一つ本棚に本を戻していたのです。おいおい・・・。床が濡れていたり、汚れていたら表紙が汚れてしまうよと思ったのですが、これって普通なんでしょうか。皆さんは本を床に直置きしますか?

 その司書さんがあまりにも堂々とされていたので、もしや自分が潔癖症なだけで、床に本を置くぐらい、どうということもないのかと思ってしまいました。自分のことを顧みるに、床に置いたカバンを机の上に置くのもいやです。そういうこともあるので、潔癖症を他人にも強要することになりかねないと思い、その場では司書さんに対して何も言いませんでした。しかしモヤモヤ・・・

 長友千代治という書誌学者が1996年に以下のような文章を書いています(『江戸文学』)。少し長いですが、引用します(以下本文傍線部は長友氏の文章の引用)。やはり、現代人は本を粗末に扱いすぎなのではないかという気もしています。司書さんですら、この扱い方をしてしまっているのですから、一般人は推して知るべしということなんでしょう。自分は、丁寧に今後も本を扱いたいと思っています。

 手馴れた図書館利用者とか、古い本に興味がある人ならともかく、今時は文学部の学生でも本を大切にしないし、大方は取り扱い方も知らぬ。知らぬのも当たり前で、そんなことを教え続ける場が減っているからである。時折、本を下敷きにして筆写するなとか、万年筆やボールペンを使うなとか、線を引くな、書き込みをするなとか、片手で本をもつなとか、机上で引きずるなとか、注意されているのを見るにつけても、日頃から一緒に本を手に取って、勉強しなければならないと反省させられるのである。

 現代は出版産業も全盛、書物も読み捨ての時代。かつて某社が、文庫本を携行した男に、読み終わると砂漠に投げ捨てさせるカッコよいテレビコマーシャルを放映したことがあったが、文庫本といえども粗末に扱ってはならぬという反対意見の新聞投書を読んで共感した。本を大切にし、敬う精神はまだ生きている。