適当日記

日常の瑣事を書いています。

最近読んだ本 橋本治(2001)『これで古典がよくわかる』ちくま文庫

先日お亡くなりになった橋本治さんの『これで古典がよくわかる』を最近読みました。この本は、大学一年のときに買った本なのですが、積ん読(つんどく)になってました。橋本さんの訃報をニュースで見て、そういえば橋本さんの本あったなと思い、本棚から見つけ出してよみました。

目次は以下の通り

1.古典を軽視する日本人

2.日本という国にはいろいろな古典がある

3.「和歌」とはなにか?

4.日本語の文章はこうして生まれる

5.「わかる古典」が生まれるまでの不思議な歴史

6.人間の書いた『徒然草

7.どうすれば古典が「わかる」ようになるか

 内容は多岐にわたりますが、古典の歴史などをやさしく解説してくれています。内容的には、高校二・三年生から大学一年生向けといったところです。『土佐日記』の作者、紀貫之がなぜ女性のふりをして書いたのかとか、平仮名と片仮名は両方とも漢字から生まれたのに、なぜ形が違うのかとか、そういえばなんでだったかなということが分かるようになります。内容は盛りだくさんですが、分かりやすく書かれているので、社会人の方にも小ネタ収集におススメです。

 橋本さんは、女子高生のような語り口で『枕草子』の訳を試みた『桃尻語訳枕草子』なども出版されており、古典を分かりやすく解説することがとても上手な方です。高校生のころに、この本を読んでおけば、もう少し古典に向かい合いやすかったかもしれないなと思います。古典は、分かりにくくて当たり前。あなたの頭が悪いからじゃないという記述があり、安心させられます(笑)橋本さんによれば、平安時代にはまだちゃんとした日本語の文章が存在しないからなのだそうです(無論、ここでいう「ちゃんとした」というのは、現代の目で見るとという意味です。当時の人はあの文章が普通なのですから)。

 定価は680円+税ですが、アマゾンで1円+送料でした。