適当日記

日常の瑣事を書いています。

イヌイットの言葉から命名についてちょっとだけ考えてみた

お盆がついにあけまして、通常通りの日常が帰ってきました。何事もなく、平和に過ごせたことに感謝です。通常通りとはいっても自分は有休を取得して、たぶん皆さんよりも多く休んだので、その分仕事をするのがしんどいです。ハイ。まあ自業自得ですね。仕事頑張ります・・・

 さて、標題にありますとおり、イヌイットの言葉についての本を最近読みました。宮岡伯人さんの『語とは何か』という本です。この本は、北米の言語の専門家である宮岡さんが、イヌイットの言葉などを参考にしつつ、日本語の「語」について考察したものです。正直に言って、専門外の人間には難しすぎて分からないところも多々あったのですが、全体として面白く読みました。自分の読書お盆がついにあけまして、通常通りの日常が帰ってきました。何事もなく、平和に過ごせたことに感謝です。通常通りとはいっても自分は有休を取得して、たぶん皆さんよりも多く休んだので、その分仕事をするのがしんどいです。ハイ。まあ自業自得ですね。仕事頑張ります・・・

 さて、標題にありますとおり、イヌイットの言葉についての本を最近読みました。宮岡伯人さんの『語とは何か』(三省堂)という本です。この本は、北米の言語の専門家である宮岡さんが、イヌイットの言葉などを参考にしつつ、日本語の「語」について考察したものです。正直に言って、専門外の人間には難しすぎて分からないところも多々あったのですが、全体として面白く読みました。自分の読書態度は100%内容が分からなくてもいいので、何かを得ようというものなので、これでいいのです。以下には、特に興味深かった雪の名前について解説されている箇所を宮岡氏の著書から引用します。

(引用はじめ)

「カニック、アニユ、アプット、プカック、ベシュトック、アウベック」とあり、カニックは降っている雪、切片としての意味です。アニユは飲料水をつくるための雪、アプットは積もっている雪、プカックはきめ細かな雪、ベシュトックは吹雪、アウベックはイグルーをつくるための切りだした雪です。これは、初めに「ユキ」があって、それを細分化しているのではなく、初めから別個に分かれています。つまり、互いに音声の類似がないことからわかるように、(細雪、どか雪、粉雪といったように、雪に形容をつけて二次的に細分化しているのでなく)それぞれまったく別物としてとらえられた、最初からの類別化・範疇化なのです。しかも、これはかぎられたエスキモーにとっての専門用語といったものではありません。つまり、それらの個々の範疇は、(飲料水をとるもの、イグルーをつくるものといった)生活上の基本的な行動様式、それと結びついた道具、技術などが切り離しがたく結びついた、エスキモーにとっては日常的な基礎語彙だということを忘れてはなりません。  

(引用おわり)

 物の名前は、その語が生じた社会のありようや、それを観察した人間の物の見方を如実に示しているわけですね。上の文章にあるように、雪について、エスキモー語の話者と日本人とでは、雪の分類のバリエーションだけでなく、そもそもとらえ方が違うということが分かります。寒い地域の人々の暮らしに雪がいかに深く食い込んでいるかが分かります。

 国が違えば、同じものを指す場合でも着目点が異なっていることもおもしろいですね。他にも、日本でサルスベリのことを、中国では百日紅といいます。日本では木肌に注目したのに対し、中国では咲く花に注目したのですね。このような点にも、日本と外国の意識の違いが伺えます。虹の種類なんかも国によって、何色か違うというのも有名な話です。

 色だけでなく、様々な事物の分け方の違いは言語に現れますが、それは話者の世界観に直結しているのかもしれません。

 

[参考文献]

宮岡伯人(2002)『語とは何か―エスキモー語から日本語を見る―』三省堂