適当日記

日常の瑣事を書いています。

メアリーエインズワースコレクション(浮世絵) in大阪市立美術館

今月の二十九日まで大阪市立美術館で開催される、メアリーエインズワースコレクションへ行ってきました。平日の朝だったからか、空いていて快適でした。

 前回大阪で浮世絵を見たのは、ハルカス美術館の北斎展でした。あれは本当に人ごみがひどくて落ち着いて見られたものではありません。北斎の作品は素晴らしいものでしたが、展示場のキャパと人が釣り合っておらず、最悪でした。まあ、ハルカス美術館は民間の美術館ですから、人が入れば入るほど儲かるのでそれで良いのかもしれませんが。

 今回の浮世絵展は本当に落ち着いて見られました。北斎や写楽の絵をほぼ一人で見ることができたので、大満足です。エインズワースはアメリカの浮世絵コレクターで、初期の作品から後期の作品まで揃えており、うまく整理をすれば浮世絵の歴史的変遷がわかるので、貴重なんだそうです。

 今回の展示も、歴史的変遷が分かるように配置されており、初期の菱川師宣から中後期の歌麿・北斎まで一覧できるようになっていました(勿論ほかの浮世絵師の作品もたくさん展示されています)。教科書やネットでしか見たことがない作品が目の前にあると、なんとも不思議な気持ちになってしまいます。各作品の鑑賞ポイントだけでなく、浮世絵の構成の約束事なども教えてくれる展示となっており、とても楽しかったです。図録(2000円くらい)も買ってしまいました。重かったです(笑) 不勉強ながら、自分が今まで知らなかった浮世絵師のことも知ることができました。奥村政信ってご存じですか?私はこの展覧会に行くまで知らなかったのですが、大変な創意工夫の人です。詳しくは展示場で見てみてください(浮世絵の歴史上では初中期の人です)。

 展示場は薄暗くなっており、お客さんのおばちゃんがずいぶん薄暗い展示だねと言っていましたが、これは色の退色を防ぐためであろうと思われます。作品によっては既に退色が進んでしまっているものもあり(図録による)、扱いに慎重さが必要なものもあるようです。

 今回の展示の最後の方に、北斎の作品がまとめて展示されているコーナーがあります。抜けるような青が印象的でした。所謂、「北斎ブルー」というやつですね。これほど間近に、しかもゆっくりと贅沢に北斎の作品をみたことがなかったので、感激です。浮世絵を見終わったら、外のてんしばでゆっくりするのもいいですね。カフェもあります。 

 みなさんも、お時間があればぜひ大阪市立美術館で、浮世絵を見てみてください。きっと良い一日になりますよ!