論理のすり替えについて調べてみた②
ゴールデンウィークも今日で最後です。結局自分はどこへも行かずじまいでした。最終日はなんと私、勤務開始なんです。あと十分で始まります。おそろしくめんどくさいです。
さて、今日は前回の投稿の続きを書いていきます。色々と分かりました。みなさんの参考にはならないかもしれませんが、せっかく調べたので。前回と同じく、挙例は「論理的思考力と議論」というサイトからです。それではスタート(^J^)
【論旨と関係ないことで笑いものにする】
議論をする際に、論旨以外のことを引き合いに出して、揚げ足をとり、主張者の論を引きずりおろそうとする。
例
・A「この小学校のふいんきはどことなくおかしい。環境の改善が必要だと考えます。」
B「ふいんきではなく、ふんいきですよ。教育の現場に口を出す前にまずは国語の勉強をされてはどうですか?」
・A「~であるからして、C氏の意見は違うと思います。」
B「なんか一人変な奴がいるな・・・ここでディベートがしたいならお母さんに付き合
ってもらうといいよ。」
前者の例、言い間違いは論旨に関係ないし、後者の場合、「おかあさん」などという言葉を出して発言者を馬鹿にして笑いものにし、Aの発言の信用度を貶めようとしています。いますよねこういう人。
【知性への脅し】
反論をすれば常識を疑われるのではないかと恐れさせる論の展開の仕方。
例
・当然このことはご存知でしょうが~
・愛国心があるなら~
・経済学部出身なら賛成してもらえると思いますが~
このようなことを発言前に言われると、反論しにくくなります。このような形からの主張は、相手への牽制です。
【感情的粉飾】
論旨とは直接に関係ないことで、論を有利に進めるために余計な(有利・不利)情報を加える。
例
・世界的権威A氏の論によれば、…とある。筆者も同意見である。一方、Bの意見は…であり、やはり洗練されておらず、全く賛同できない。
・毎日、多くの実験動物たちが、無慈悲な人間の利己的な実験のために、生命の尊厳を無視され、虐殺されています。
一つ目の例は、Aさんには世界的権威とかなんとか言って、Bさんにはそんなことを言わない。自分が贔屓にするAさんに有利になるように書いています。百〇尚〇氏などがよく使う方法ですね。こんなあからさまな方法は逆効果なのになんでやるんだろうか・・・エッセイや感想文などでは構わないと思いますが(とはいえ感心しない)、上の二文は明らかに論を有利にするために大げさな情報(権威・悪いイメージ)を付け加えています。
【解答不能】
答える側が、どう答えても不利になるような問いをかけると、回答者の立場が危うくなる場合がある。
例
・A「まだ暴力団に所属しているのか?」
B「…」
・A「イラク戦争で多くの子供が死んだが、あの戦争はそれだけの代償を生む価値があったか?」
B「…」
これは、回答者がはいと答えてもいいえと答えても立場が不利になるもので、質問者はいずれの場合でも批判できる状態にすることができます。
【多数決】
多数決がいつでも論の正しさを保証しているとは限らない。
例
・キリスト教は全世界に信者がたくさんいるから、教義の内容は全て正しい。
・D掃除機はアメリカで最も売れています。だからあなたもD掃除機を買いましょう。
・サービス残業をしない奴なんていない。だからお前もやれ。
但し、やみくもに多数決を否定すれば、正しい論が導けるというものでもありませんが。
今日はもう時間がないので、ここまでです。
[参考]
http://ronri2.web.fc2.com/index.html「論理的思考力と議論」
(オススメ↑)
野崎昭弘(1976)『詭弁論理学』中公新書
ハリー・G・フランクファート(山形浩生訳:2006)『ウンコな議論』筑摩書房
野矢茂樹(2001)『論理トレーニング101題』産業図書