適当日記

日常の瑣事を書いています。

江南春

千里鶯啼綠映紅
水村山郭酒旗風
南朝四百八十寺
多少樓臺烟雨中
 
 杜牧の江南春(こうなんのはる)という漢詩です。春にぴったりの漢詩なので、紹介しました(割と有名?なので、ご存知の方も多いかもしれませんが)。春の霧雨の中、遠景を眺めている様子が想像されます(あってるかな)。広々とした風景を遠くにおさえつつ、新緑の中に赤い花が映えて、村々の様子を描いています。遠くには、古寺のおもかげを残す楼閣が春雨の中に見えると締められます。
 自分は、雄大な情景を描き出す漢詩が好きです。なので、漢詩は狭い教室で勉強するよりも、外に出て読んでみるのが良いといつも思います。同じ情景は目の前にはないですが、目を閉じて想像すると漢詩の世界に入れるような気がします。春の雨が降っているときに、この漢詩を読んでみると、一層魅力がわかると思います。最近雨は降っていませんが。
 ところで、杜牧はこの漢詩を着想したとき、実際に見た情景を読んだのでしょうか。それとも、自分が良いと思う情景を読んだのでしょうか。