適当日記

日常の瑣事を書いています。

ぎなた読みでひまつぶし

最近はいかがお過ごしでしょうか。相変わらず私はひまです。ひまなので、いろいろ日本語のことを調べてみました。今日は「ぎなた読み」という言葉遊びの紹介です。皆さんは、ぎなた読みご存知ですか。要するに、「ここではきものをぬいでください」みたいな、文章を切る位置や濁点の有無によって意味が変わる文章を作る遊びです。有名ですよね。

ここではきものをぬいでください。

ここで、履物を脱いでください。

ここでは、着物を脱いでください。

 他にも、様々な例があります。

しんだいしゃでしんだいしゃ。

寝台車で、死んだ医者。死んだ!医者で死んだ医者。

 

りかちゃんとべんきょうしている

理科、ちゃんと勉強している?

リカ、ちゃんと勉強している?

リカちゃんと、勉強している。

 

「スモモモモモモモモノウチ」

「ハハハハハハハハノハハハハハハハトワラウ」

「子子(ノ)子(ノ)子子子子子(ノ)子(ノ)子子子」

   ↑

昔は、「子」は「ね」の仮名の一つだったことを考えると・・・

 

 文を切る句読点以外にも、濁点の有無で意味を変えるなど色々な遊びがあります。

 

刷毛(はけ)に毛があり、禿げ(はげ)に毛がなし。

福(ふく)に得(とく)あり、河豚(ふぐ)に毒(どく)あり。

人は茶(ちゃ)を飲み、蛇(じゃ)は人を呑む。

 

 次にいくつか濁点の有無によって意味が異なる例を挙げてみました。

・ひとりあばれ、おとこ、泣き伏す。(ひとりあわれ、男泣き伏す)

・春の雨や 草はなぎて暮れにけり。(春の雨、ヤクザは泣きてグレにけり)

・聞いてみたい、婚約者のあまいセリフ。(聞いてみ。大根役者の甘いセリフ)

 

@ぎなた読みの作り方

 語を二つに分割した時に、それぞれが意味を持つ語を探すと作りやすいです。例えば、ひらめいた(閃いた)→ヒラメ(鮃)+イタ(居た)、きょうかい(教会)→キョウ(今日)+カイ(買い)など。

 

きのうひらめいたんだ       きょうかいにいくよ

昨日、閃いたんだ         教会に行くよ。

昨日、鮃居たんだ         今日、買いに行くよ。

 

 「ぎなた読み」からは駄洒落も派生します。

 

あるみかんのうえにあるみかん  

アルミ缶の上にある、蜜柑

アルミ缶の上に、アルミ缶

 

オオカミがトイレに入って叫んだ。「オオ、紙がない」

キャベツの中に虫がいる。「キャ、別のにして!」

 

次の「ぎなた読み」はどうですか?

・このこねこのこ

・きょうふのみそしる

・のろいのはかば

・たなかさんじゅうごさい

・ここのかにたべる

・あれがいしゃだよ

・きょうるすばんにこい

・だんせいはここにはいりません

 

聞いたことがあるようなのも混ざっているかもしれません。

・・・いったい自分は何を調べているんだ。

[参考]

稲葉茂勝(2016)『日本語あそび学』今人舎

ことばの会(1981)『ことばあそびカタログ』現代出版

小林祥次郎(2008)『日本のことば遊び』勉誠社